@快吏の日記および妄想などが飛び交う(予定)散々なところです。
夕方のマジバで放課後を過ごしていた。
2人がけの机に二人で迎え合わせに座っている。
俺がずずっと少し、氷の溶けて水っぽくなったウーロン茶を飲みこむ。
黒子っちが読んでいた本を置く。
もう少し、眺めておきたかったんだけどな。
水色の髪が蛍光灯の明かりにキラキラ光って綺麗。
本を置いたってことは、帰るんスかね。
この時間も終わりかぁ。
でも、黒子っちは本を閉じた体勢のまま、外をうっとりと眺めている。
「黒子っち?」
「・・・ああ、すみません。」
漸くこっちをみてくれた。
「ううん。いいんスよ。-でどうしたんですか?」
ニコって笑うと、顔を伏せられた。
ちょっと傷つく。
ん、いや、結構。
「本を読み終わったんですけど、なんか、予想より、いい話だったので。」
余韻に浸っていたのか。
「どんな話?俺でも読めそうっスか?」
「黄瀬君がどんな本なら読めるのかは知りませんが。」
「ん~と、現国の教科書読むだけで眠くなるっスよ!!」
「自慢げにいう台詞じゃないです。」
「黒子っちがお勧めっていうなら、読んでみようかなぁ。」
「・・・・・・たまには小説を読んだ方がいいですよ。」
「ねぇ、どんな話だったんスか?」
「・・・・・・・恋の、話、でした。ある女性が・・・」
黒子っちがすんだ声で話す。
慣れていないのか、少し恥ずかしそうに、ゆっくりと、
その空気が好きで、声を頭にしみこませるように眼を閉じた。
まぁ。お約束。
「黄瀬君。」
通常より、低いトーンの声で起こされた。
「・・・ごめんなさい。」
「ボクがいった、あらすじを言ってみてください。」
「えっと、女の人が高校時代にタイムスリップして、初恋の人と会うっていう話っスよね?」
「・・・意外と聞いていましたね。」
「黒子っちの話っスから!!」
へへっと笑うと頭をはたかれた。
「寝てたじゃないですか。」
「・・・・ごめんなさい。」
しょんぼりすると黒子っちが笑った気がした。
下を向いていてわからなかったけど、
機嫌は悪くないみたいだ。
「黄瀬君、これ、貸します。」
「え、いいんスか?」
「はい。読んだら感想教えてください。」
「了解っす!!」
そのまま、俺たちは帰路についた。
「じゃ、また。」
「はい、また。」
黒子っちをいつも通り、家まで送って行った。
今度はいつ会えるかな~
そんなことを考えながら、手を振って別れた。
黒子っちと、今日話した内容を思い出しながら歩く家路はなかなか楽しい。
曲がるところでもう一度振り返る。
黒子っちはまだ、家に入っていなかった。
あれ?
いつもなら、いないのに。
どうしたんだろうと聞こうとしたとき、黒子っちの少し上ずった声が聞こえた。
「本の感想っできれば直接会って教えてくださいっ」
もしかしたら、これを言うのをマジバからずっと、考えていたのかも知れない。
意を決したような彼の声は俺の心をつかむには十分すぎた。
走って、黒子っちのもとに戻る。
驚いた顔をする彼の手を引いて、少し、早歩きに歩き出す。
手は振りほどかれなかった。
もう少し、一緒にいたいって思ったのは俺だけじゃない?
聞きたかったけど、
我慢した。
駄目だ、
もう少し我慢しようと思っていたこの気持ちを
言ってしまいそうだ。
END
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終わりを見失った!!
酷いなぁ。
さ、原稿をします。
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